2014年12月31日水曜日

作監心得

作監心得

 これは天才といわれる先輩作監たちの言葉をまとめたものです。多くはわたしが新人動画時代に聞いたもの。
 だから直に薫陶を受けたものではなく、天才が後輩作監に教えているところを近くで聞いていたり、あるいは作画室で作監や原画に向け雑談に交えて話す内容をおぼえたり、天才の講義に出かけてメッセージを受け取ったりした言葉です。

 当時、作監は本当に突出した力のある人しかなれないものとされていたし、周囲にいた作監は桁違いの天才たちだったから、わたしは自分が作監になるとは思っておらず、「作監心得」を一般アニメーター向けに置き換えて心に刻んだにすぎない。

 ではまいりましょー(^^)


作監心得

・誰よりも多く働くこと。なまけない。

・動きを直さない人を作監とはいえない。動きがわからない人に作監は出来ない。

・顔だけ直す人を作監とはいえない。キャラ似せ屋さんなら誰でも出来る。

・タイムシートも見ない作監になってはいけない。動きに興味がない人をアニメーターとはいわない。

・(その作品での)チーフ・アニメーターとして、後輩のめんどうを見ること。

・(その作品での)チーフ・アニメーターとして、他のアニメーターの模範となる仕事ぶりであること。

・(その作品での)チーフ・アニメーターとして、他工程からも信頼される仕事ぶりであること。

・後輩や新人をみる立場である場合、アニメーターに向いていない人には、やめたほうがあなたのためであると伝えてあげることも時には必要。これが出来ない人は、管理職(作監、動検など)になるべきではない。



 以上ですが、当たり前すぎておもしろくもなんともないですね。とはいえ、こんな当たり前のことも、口に出して伝えてもらわないと、意外と自分で明確に言語化するのはむずかしいです。
 先輩の教えって、やっぱり大切だと思います。思いました。思っています。はい。

 いまほど絵が細かく線が多くもなく、絵を描くことにそれほど時間がかからず、絵を描けるのは当然であり、その上でアニメーターは演技と動きを最重視すべきだという水準における「作監心得」だ。

「動きは上手いがキャラはいまひとつ似ていない原画と、キャラを似せるのは上手いが動きが描けない原画の、どちらを使いたいと思う作監がよい作監か?」という問いかけもあった。
 巨匠の答えはこうだった。
「絵は秒単位で描き直せる。しかし、動きや演技を一から作り上げるのは時間がかかる。ぼくは動きが描ける原画を使いたい」
 人間も動物も自然現象もメカも、縦横無尽に動きを描き出せる人がこう言うのだから、動きや演技はむずかしいんだなぁって、わたしは思って聞いていた。


 ただし、微妙な演技をさせるときには、原画の絵がキャラクターを含めてかなり正確に描けている必要があるのは確か。
 細かい動きの場合は、キャラクターも限りなく合っていたほうが、原画で狙った動きが作監修正で壊れない。
 楽しい動きを作っていく時は、絵を全修してもたいした手間ではないですけど。

 でもまあ、微妙な動きを正確に描こうとする原画さんは、絵も可能な限り正確に描こうとしているので、全修になることはまずないんですけどね。全修になったとしても、その原画さんの絵で、キャラが正確に統一的に合っていないだけなので、どこが違うかわかれば同じパターンで修正していけるから非常に楽。このタイプの原画はメチャメチャありがたいです。


 ちょっと横道にそれましたが、キャリアのある作監の皆さんは、作監心得を早くから若者に教えてあげるといいと思うんです。自分で探すより聞いたほう早いですからね。聞いたことを守るかどうかは本人の自由でかまわないと割り切って、気楽に教えればいいんじゃないかなーと。

 作監は管理職であるというレクチャーを、若いアニメーターは受けていないでしょ? 管理職研修って必要だと思うんですよ。一般企業と同じくね。
 どう考えていいのか、どういう態度をとればいいのかわからないときの指針としてね。

 プロデューサー諸氏にもお願いしたいのですが、制作の立場や考え方、作監はこうあるべきと制作は思う、こうしてほしいという希望を、作監に教育してあげてほしいと思います。作監を起用するのは制作側の判断なんですから、とくに初作監のときなんかはそこを最初に教わっているかどうかが、とっても重要だと思います。

 アニメーター側からすると、そういうことをプロデューサーから教わっておきたいと、心から思う。スタッフの教育ってプロデューサーの仕事のひとつだと思ってお願いします(^^)
 ねっ!





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