2014年12月13日土曜日

アニメーターの才能 その見つけ方 【新人研修・新人動画編】

アニメーターの才能 その見つけ方 【新人研修・新人動画編】

総論

 新人アニメーターの採用は「動かすセンス(才能)があるかどうか」を最重要視して行う。キャラクターを動かすためには画力が必要なので、あるていど絵が上手いことが絶対前提条件でもある。

 だが、多くの優秀なアニメーターが語っているように、どれほど工夫を凝らした採用試験を行っても、試験でアニメーターの才能はわからない。残念ながら、これは本当にわからない。
 この場合の「残念」は、動かすことに向いていない人をアニメーターとして採用してしまい、教える側も苦労はするが、最大の問題は、採用された新人につらい思いをさせただけで、退職せざるを得ない結果となってしまうことだ。
 採用試験でわかればと、新人にとって気の毒でならない。

 そしてこれも多くのアニメーターが語ることだが、採用試験でわからない才能の有無も、研修なり仕事なりを始めると1週間でわかる。
 1週間以内に、新人の描いたものを見て、「この動画(あるいは研修課題)は、どうなんだろう……」と、ひっかかるときがある。そうはいっても、気になったとたんに1週間で「向いていないから、早くやめたほうがあなたの時間を無駄にしない」と言ったとしても、さすがに言われた新人も納得できないし、見ているこちらも新人にできればがんばって続けてほしいという気持ちがあるため「たまたま失敗したのかもしれない」と思い込もうとする傾向があることを否定できない。

 しかし、この「ひっかかり」は、経験的に100%の確率で、最終的には正しい。

 1週間で「この動かすセンスのなさはなんだろう」と感じた場合、おおむね2週間後くらいには新人のほうで音を上げる。
「ついて行かれそうもない。向いていないと感じるので、やめようと思う」と、新人のほうから言ってくる。

 10時-6時の勤務時間で、かつきちんと教える人的体制が整っている状況であってもそう言ってくるので、これは体力的な問題でも人間関係の問題でも、すさんだ仕事環境におかれたからでもなく、新人本人が能力の限界を感じたということだろう。

 動かすことがつらいのだ。

 アニメーターに向いている新人の場合、同じ時期に、動かすことはおもしろい! と感じている。


「やめたい」という新人がいたとき、わたしは基本的には引き留めない。本人が「つらい」といっているのに、どれほどつらい思いをしているのかわからないこちらが気楽に「大丈夫だよ」などとはいえない。
 人様の将来には責任を取れない。
 明るく前向きな気分になれるよう、励まし、ほかの業界へ送り出す。

 才能がないために何年も苦労している人をたくさん見ていると、アニメーターを辞めるなら早いほうが傷が浅いと心から思う。
 性格のよい子ならなおさらだ。ほかの仕事をしたほうが、よほど本人のためにも社会のためにも有効だ。

 無理をしてアニメーターを続けるのは人生の無駄以外の何ものでもない。アニメーターなんて、しょせん娯楽産業の1職種です。そんなに無理して続けるような仕事ではないでしょう。
 社員採用の場合でもそう思うから、ほとんどの新人がそうであるように、出来高制業務委託契約などという立場で働くことになるアニメーター職種は、辞めても辞めなくても、どのみちなんらの保証もなわけですから、無理をしてしがみつく必要など感じません。

 新人本人の将来の幸せを1番に考えてあげたいと思う。







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